電流

蓄音機

白熱電球、蓄音機、映写機等を発明した20世紀の発明王といえばエジソンです。そのエジソンの最大のライバルはセルビア出身のニコラス・テスラです。あまり知られてはいませんが、二人は電力供給方式を巡って激しい論争を繰り広げました。エジソンは直流、テスラは交流を支持しましたが、特にエジソンの執念は凄まじく大衆を前にして動物に交流電気を流し「交流電気は危険だ」と訴えた程です。

この論争は「電力戦争」と呼ばれ現代の電力システムに大きな影響を及ぼしました。結果的には皆様もご存じのように直流も交流もそれぞれの分野で重要な役目を果たしていますが、送電については交流が使われるようになりました。

送電線

テスラは交流による送電を有線ではなく無線にて供給できるようシステムを考案中でしたが夢は叶いませんでした。今でも送電は有線ですがもしこれが無線になったら世の中は一変するでしょう。しかし音響の世界ではスピーカーを鳴らすのにBluetoothが出現し無線状態になって久しくたちます。

2003年に設立されたテスラは米国テキサス州オースティンに本社を置く電気自動車の製造販売を主力とした(EV)メーカーですが、EVの他太陽光電システム、蓄電システムAI(人工知能)による自動運転技術、そしてロボティクス等幅広い分野に展開しています。

テスラの企業目的は「世界の持続可能なエネルギーを加速させる」ことで、EVクリーンエネルギー関連のサービス全体を構築し独自のエコシステムを形成しています。テスラは2025年7~9月期のEV世界販売台数は前年同期比で7.4%増加しましたが、株価は5%も低下しました。これは米国をはじめとして中国、欧州等、世界のEV販売低迷が長期化すると見込まれている為とみられているからです。

電気自動車

これに伴いテスラのCEOであるイーロン・マスク氏が世界長者番付の1位からおよそ300日ぶりに陥落しました。ブルーバーグ通信によると9月10日時点での世界長者番付1位は、米国ソフトウェアー大手のオラクルの共同創業者兼会長のラリー・エリソン氏で、保有資産は3930億ドル日本円でおよそ58兆円、マスク氏の3850億ドルを超えました。

日本の一般会計予算は約110兆円ですから二人の資産の合計が日本の予算ということになります。ところで、エジソンは数々の事業に成功し、資産家であったようですが、イーロン・マスク氏が尊敬するテスラ氏は生涯貧乏だったようです。